「教会が女性に司祭叙階を授与する権利を持たないと確信しているという事実は、今や一部の人々によってヨーロッパ憲法と両立しないと見なされている」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”The fact that the church is convinced of not having the right to confer priestly ordination on women is now considered by some as irreconcilable with the European Constitution.”

日本語訳

「教会が女性に司祭叙階を授与する権利を持たないと確信しているという事実は、今や一部の人々によってヨーロッパ憲法と両立しないと見なされている」

解説

この言葉は、女性司祭叙階を認めないカトリック教会の立場と、現代ヨーロッパ社会の法的・文化的価値観との衝突を示している。教会は長い伝統と神学的理由に基づき、司祭叙階を男性に限定してきたが、平等や人権を重視する近代憲法の精神と相容れないとする批判が高まっているのである。

歴史的背景として、ヨーロッパ連合(EU)における基本権憲章や憲法草案では、性別による差別の禁止が謳われている。そのため、女性の叙階を拒否する教会の教義は、人権や平等原則と矛盾すると一部の人々に解釈された。ベネディクト16世は、ここで教会が直面する文化的・法的圧力を指摘している。

現代においても、この問題は続いている。宗教的自由と法的平等の調和は容易ではなく、教会が自身の教義を守りながらも、社会との対話を深めることが求められている。この発言は、信仰と現代社会の法的枠組みの間にある緊張関係を浮き彫りにし、両者の関係をいかに築いていくかという課題を提示しているのである。

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