「キリスト教信仰は、神が私たちに語りかけ、人となり、死に、復活するという選びを、特定の場所と特定の時において行われた聖なる出来事の土壌から切り離されることは決してない」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”The Christian faith can never be separated from the soil of sacred events, from the choice made by God, who wanted to speak to us, to become man, to die and rise again, in a particular place and at a particular time.”
日本語訳
「キリスト教信仰は、神が私たちに語りかけ、人となり、死に、復活するという選びを、特定の場所と特定の時において行われた聖なる出来事の土壌から切り離されることは決してない」
解説
この言葉は、キリスト教信仰が歴史的出来事と不可分であることを強調している。キリスト教は抽象的な思想体系ではなく、神が人類史の中で具体的に行動された出来事、すなわちイエス・キリストの受肉・十字架・復活という事実を土台にしている。そのため、信仰は時空を超えた理念だけでなく、歴史の現場に根ざした現実に基づいている。
また、この視点はキリスト教神学において重要な歴史性と具体性を示す。神が「特定の場所と時」を選ばれたという点は、信仰が単なる普遍的な道徳や哲学ではなく、実際の歴史に介入する神の行為に支えられていることを意味する。これによって、神は人間の時間と空間を聖化し、普遍的な救いの基盤を築いたのである。
現代においても、この理解は信仰を歴史から切り離された観念化から守る。例えば、クリスマスやイースターといった典礼は、歴史的出来事を記憶し、再体験することによって信仰を生きたものにしている。この名言は、キリスト教信仰が常に具体的歴史に根差した生きた出来事の記憶であることを示している。
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