「自由の名のもとに、権利と義務の間には相関関係が存在しなければならない。すなわち、すべての人は他者との関係に入ることによって生じる自らの選択に対して責任を負うよう求められている」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”In the name of freedom, there has to be a correlation between rights and duties, by which every person is called to assume responsibility for his or her choices, made as a consequence of entering into relations with others.”

日本語訳

「自由の名のもとに、権利と義務の間には相関関係が存在しなければならない。すなわち、すべての人は他者との関係に入ることによって生じる自らの選択に対して責任を負うよう求められている」

解説

この言葉は、自由と責任の不可分性を強調している。自由はしばしば権利の主張として語られるが、それだけでは不完全である。真の自由は義務と責任の伴う関係性の中で成立するのであり、孤立した個人主義ではなく、共同体の中での選択を前提としている。

歴史的背景として、この考えは第二次世界大戦後の人権意識の高まりと、それに伴う倫理的・社会的責任の再認識に関係している。ベネディクト16世は、権利の強調が義務を軽視する風潮に警鐘を鳴らし、権利と義務の調和を求めている。この視点は、自由を無秩序や自己中心的放縦と区別するものである。

現代においても、この指摘は有効である。例えば、言論の自由は他者の尊厳を侵害しない責任と結びつくべきであり、経済的自由も社会的公正と調和して行使されるべきである。この名言は、自由を共同体の中で成熟させるために、権利と義務のバランスを取る必要があることを教えている。

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