「実際、私はむしろ教授であり、霊的な問題について思索し、仲介する者である。実務的な統治は私の得意とするところではなく、これは確かに弱点である。しかし私は自分を失敗者だとは思っていない。8年間、私は自分の務めを果たした」

教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
教皇ベネディクト16世(画像はイメージです)
  • 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
  • ドイツ出身
  • ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿

英文

”In reality, I am more a professor, one who reflects and mediates on spiritual questions. Practical governance is not my strong point, and this is certainly a weakness. But I do not see myself as a failure. For eight years, I carried out my work.”

日本語訳

「実際、私はむしろ教授であり、霊的な問題について思索し、仲介する者である。実務的な統治は私の得意とするところではなく、これは確かに弱点である。しかし私は自分を失敗者だとは思っていない。8年間、私は自分の務めを果たした」

解説

この言葉は、自己認識とリーダーシップのあり方を示している。発言者は自らを統治者ではなく思想家・神学者として位置づけ、実務的な政治や管理よりも、霊的省察を強みとすることを率直に認めている。それは弱点であるとしつつも、与えられた役割を誠実に果たしたという自負をも表している。

歴史的背景として、ベネディクト16世は神学者として世界的に高く評価されていたが、教皇としてはその学者的性格が色濃く出ていた。2013年に退位を決断したことも、実務的限界を認識したうえでの誠実な判断であった。この発言には、自己の限界を認めつつも使命を果たしたという謙虚さと自尊心の両面が反映されている。

現代社会においても、この言葉は普遍的な教訓を含んでいる。リーダーは必ずしも万能である必要はなく、自らの強みと弱みを理解し、その中で誠実に役割を果たすことこそが大切である。例えば、教育者、研究者、経営者なども、自分の資質を理解し、限界を受け入れつつ職務を全うすることで、真の意味で「失敗ではない」歩みを示すことができる。この名言は、謙虚な自己理解と使命遂行の大切さを強調している。

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