「人工知能とは、明らかに意識を持つ主体から伝達された知性であり、装置の中に置かれた知性である。それは実際には、その装置の人間の創造者の知性に明確な起源を持っている」

- 1927年4月16日~2022年12月31日(95歳没)
- ドイツ出身
- ローマ教皇(在位2005年~2013年)、神学者、枢機卿
英文
”Artificial intelligence, in fact, is obviously an intelligence transmitted by conscious subjects, an intelligence placed in equipment. It has a clear origin, in fact, in the intelligence of the human creators of such equipment.”
日本語訳
「人工知能とは、明らかに意識を持つ主体から伝達された知性であり、装置の中に置かれた知性である。それは実際には、その装置の人間の創造者の知性に明確な起源を持っている」
解説
この言葉は、人工知能の本質を人間の知性に由来するものとして位置づけている。人工知能は自律的に生まれた存在ではなく、あくまで人間の意識と知性を基盤として構築された技術である。つまり、それは独立した創造者ではなく、人間の知性の反映と延長にすぎないという認識が示されている。
歴史的背景を踏まえると、ベネディクト16世は人間の理性と技術の進歩に深い関心を持ちつつも、しばしばその限界と倫理的課題を指摘してきた。この発言もその文脈にあり、人工知能を神秘的に捉えるのではなく、人間の創造的理性の成果として理解すべきことを明確にしている。
現代において、人工知能は社会のあらゆる領域に浸透しつつあるが、その存在を過大評価して人間の役割を見失う危険もある。この名言は、人工知能を正しく位置づけるために、その源泉が常に人間の知性にあることを忘れてはならないと警告している。すなわち、AIを扱う際には技術的可能性だけでなく、人間の責任と倫理が不可欠であることを示している。
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