「私たちにただ一つの永遠の住まいがある――それは天国である。この古い真理を私たちは常に学び直さなければならず、それを本当に自分のものとするのは、悲しい経験の衝撃を通してのみなのである」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“We have but one permanent home: heaven – that’s still the old truth that we always have to re-learn – and it’s only through the impact of sad experiences that we assimilate it.”
日本語訳
「私たちにただ一つの永遠の住まいがある――それは天国である。この古い真理を私たちは常に学び直さなければならず、それを本当に自分のものとするのは、悲しい経験の衝撃を通してのみなのである」
解説
この言葉は、人間の究極的な帰属は天国にあるというキリスト教的信念を強調している。テイヤール・ド・シャルダンは、人生の出来事や成功に執着するのではなく、最終的な目的地は地上ではなく天上にあると語る。そして、この真理は容易に忘れ去られがちであり、むしろ悲しみや喪失といった経験を通して深く実感されると述べている。
背景には、キリスト教における「地上は仮の住まい」という伝統的な死生観がある。シャルダンは進化論的宇宙観を持ちながらも、最終的には神との一致を「永遠の住まい」として捉えた。人間がこの真理を忘れがちなのは、現世に安住しやすい性質を持つからであり、悲しみの体験こそがその真理を思い起こさせる契機となる。
現代的に読むなら、この名言は苦しみや喪失に意味を見いだす視点を与える。愛する人を失ったり、人生に行き詰まったとき、地上でのすべてが儚いものであることを悟る。そのときにこそ、人間は「永遠の住まい」としての天国を再認識する。この言葉は、悲しみを単なる絶望としてではなく、超越的な希望への導きとして捉えることの重要性を示している。
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