「東洋の宗教の比類なき偉大さは、統一への情熱において他に劣らぬほどに響き渡っている点にある。この響きはあらゆる神秘主義の形態に不可欠なものであり、それが彼らの内にあまりに深く浸透しているために、我々は彼らの神々の名を口にするだけで魅了されてしまう」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“The incomparable greatness of the religions of the East lies in their having been second to none in vibrating with the passion for unity. This note, which is essential to every form of mysticism, has even penetrated them so deeply that we find ourselves falling under a spell simply by uttering the names of their Gods.”

日本語訳

「東洋の宗教の比類なき偉大さは、統一への情熱において他に劣らぬほどに響き渡っている点にある。この響きはあらゆる神秘主義の形態に不可欠なものであり、それが彼らの内にあまりに深く浸透しているために、我々は彼らの神々の名を口にするだけで魅了されてしまう」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンが東洋宗教の本質的な偉大さを評価した言葉である。彼は、東洋の宗教がもつ「統一への情熱」に特に注目し、それが神秘主義に不可欠な要素であるとした。宇宙や存在の多様性を超えて、一つの根源的統一へと向かう志向は、東洋宗教においてきわめて強く表現されている。

背景には、彼自身が持っていた普遍宗教的な関心がある。進化の過程を統合と結合の歴史とみなす彼にとって、東洋宗教の「統一への情熱」は、自身の思想と響き合うものであった。特にインド哲学や仏教の宇宙観は、全存在を一つに結ぶ神秘的感覚を強調しており、その神々の名を唱えるだけでも人を圧倒する力を持つと述べている。

現代的に解釈すれば、この言葉は宗教間対話の可能性を示している。キリスト教的視点から語る彼であっても、東洋宗教の精神的深みを高く評価し、その普遍性を認めている点に重要な意味がある。テイヤールの言葉は、宗教が異なれども共通する「統一への情熱」があり、それこそが人類の霊的未来を形づくる鍵であることを教えている。

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