「ヒンドゥー教諸宗教は、太陽の反映をつかむために人が飛び込む巨大な井戸という印象を私に与えた」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“The Hindu religions gave me the impression of a vast well into which one plunges in order to grasp the reflection of the sun.”

日本語訳

「ヒンドゥー教諸宗教は、太陽の反映をつかむために人が飛び込む巨大な井戸という印象を私に与えた」

解説

この言葉は、テイヤール・ド・シャルダンがヒンドゥー教を体験的に捉えた比喩的表現である。彼はヒンドゥー教を、無限に深い精神世界への没入として理解し、その探求の果てに宇宙的真理(太陽の象徴)を垣間見るものと描いている。井戸というイメージは、内面的で深遠な探究を示し、表層的ではなく深みへと降りていく宗教的姿勢を象徴している。

背景として、シャルダンはアジアでの滞在経験を通じて多様な宗教に触れ、キリスト教神学との対話を模索した。ヒンドゥー教は多神的でありながらも宇宙的・哲学的な統一性を持つ宗教体系であり、彼にとっては宇宙の根源を深く探る試みとして映った。この比喩には、異文化宗教に対する畏敬と理解の試みが込められている。

現代的に読むと、この言葉は宗教間対話の重要性を示している。異なる宗教はそれぞれ異なる方法で真理に迫ろうとするが、共通して人間を超えた光(太陽)の反映を求める営みである。シャルダンの比喩は、ヒンドゥー教を単なる異質な宗教としてではなく、普遍的な真理探求の一形態として肯定的に評価している点で、宗教理解において示唆的である。

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