「事実が示しているのは、いかなる宗教的信仰も――歴史上のいかなる時点においても――現代のキリスト教ほど強い温かさ、より激しい統合の力を解き放ったものはないということである。そしてそれがよりカトリック的であればあるほど、私の言葉はより真実となる」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“The facts tell us that no religious Faith releases – or ever has released at any moment in History – a higher degree of warmth, a more intense dynamism of unification than the Christianity of our own day – and the more Catholic it is, the truer my words.”

日本語訳

「事実が示しているのは、いかなる宗教的信仰も――歴史上のいかなる時点においても――現代のキリスト教ほど強い温かさ、より激しい統合の力を解き放ったものはないということである。そしてそれがよりカトリック的であればあるほど、私の言葉はより真実となる」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンがカトリック信仰の統合力と温かさを強調したものである。彼にとってキリスト教、特にカトリックは、単なる教義体系ではなく、人類を結びつける強大な力であった。ここで語られる「温かさ」とは人間的連帯を生む愛の力であり、「統合の力」とは進化の過程で人類を一つに導くエネルギーを意味している。

背景には、彼の進化論的神学がある。宇宙は分散から統合へと向かう過程を歩んでおり、その中心的な媒介がキリストであるとされた。したがって、カトリックはその「普遍性(catholicity)」ゆえに、人類を包括的にまとめる役割を担う。彼は歴史全体を見渡した上で、現代のカトリックこそ最大の統合的ダイナミズムを解き放つ宗教であると断言している。

現代的に解釈すれば、この言葉は宗教的共同体の力と普遍性を示唆している。グローバル化と分断が同時に進む今日、宗教が果たすべき役割は「分離」ではなく「統合」にある。テイヤールの言葉は、信仰が人類を一つに導く力であり、特にカトリック的普遍性がその使命を体現することを強調している。

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