「地殻は我々の足元でいまだに隆起し沈降し続けている。地平線には今も山脈が押し上げられており、大陸の下では花崗岩が成長し続けている。有機的世界もまた、その数えきれぬ枝々の先端で新しい芽を生み出すことをやめてはいない」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“The earth’s crust has not yet stopped heaving and plunging under our feet. Mountain ranges are still being thrust up on the horizon. Granites are still growing under the continental masses. Nor has the organic world ceased to produce new buds at the tips of its countless branches.”
日本語訳
「地殻は我々の足元でいまだに隆起し沈降し続けている。地平線には今も山脈が押し上げられており、大陸の下では花崗岩が成長し続けている。有機的世界もまた、その数えきれぬ枝々の先端で新しい芽を生み出すことをやめてはいない」
解説
この名言は、テイヤール・ド・シャルダンの動的な宇宙観と進化観を端的に示している。地球は静的な存在ではなく、地殻変動によって今もなお形を変え続けている。同様に生命界もまた、新たな芽を生み出しながら進化を続けている。つまり、自然界全体は現在進行形の創造と変化の場である。
背景には、彼の科学者としての観察と神学者としての洞察が融合している。地質学的事実として山脈や花崗岩の生成は続いており、生物学的事実として進化は止まっていない。これらの現象を彼は「創造の継続」として理解し、自然は完成ではなく生成の過程にあると見なした。
現代的に解釈すれば、この言葉は地球科学や進化論の現在性に直結する。我々は安定した世界に住んでいるのではなく、地球も生命も絶えず変化している環境の中にいる。この視点は環境問題や進化の未来を考えるうえでも重要であり、テイヤールの言葉は、変化こそが存在の本質であることを雄弁に物語っている。
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