「教会は大いなる樹のようなものであり、その根は力強く大地に根ざし、葉は穏やかに明るい太陽の光にさらされていなければならない。このようにして教会は、すべてを包み込む一つの生きた行為の中に、あらゆる調べを集約し、それぞれが霊化の一段階、あるいは可能な形態に対応しているのである。」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“The Church is like a great tree whose roots must be energetically anchored in the earth while its leaves are serenely exposed to the bright sunlight. In this way, she sums up a whole gamut of beats in a single living and all-embracing act, each one of which corresponds to a particular degree or a possible form of spiritualisation.”

日本語訳

「教会は大いなる樹のようなものであり、その根は力強く大地に根ざし、葉は穏やかに明るい太陽の光にさらされていなければならない。このようにして教会は、すべてを包み込む一つの生きた行為の中に、あらゆる調べを集約し、それぞれが霊化の一段階、あるいは可能な形態に対応しているのである。」

解説

この比喩は、テイヤール・ド・シャルダンによる教会の二重性と普遍性の理解をよく表している。根は「地にしっかりとつながること」、すなわち人間の歴史・文化・社会への現実的な関わりを象徴し、葉は「天に向かうこと」、つまり霊的理想と神への開放を示す。教会はその両方を兼ね備えることで初めて生きた存在となる。

また、彼は教会を静的な制度としてではなく、多様な霊的段階を統合する動的な有機体と見ている。個々人の信仰の深さや形は異なっていても、それらは一つの「大いなる樹」に包み込まれる。この点で、教会は人類全体の霊的進化を担う器として描かれている。

現代的に言えば、この言葉は伝統と革新のバランスを考える上で示唆的である。社会に根ざしながら普遍的価値を追求する姿勢は、宗教だけでなく教育や文化活動にも当てはまる。テイヤールの視点は、教会を単なる権威の象徴ではなく、生命力ある霊的共同体として再解釈する契機を与えている。

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