「人類の前進の行進が残す航跡は、船首が跳ね上げる飛沫と同じくらい明確に、その動きを示しているに違いない」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Surely the wake left behind by mankind’s forward march reveals its movement just as clearly as the spray thrown up elsewhere by the prow.”

日本語訳

「人類の前進の行進が残す航跡は、船首が跳ね上げる飛沫と同じくらい明確に、その動きを示しているに違いない」

解説

この名言は、人類の進歩の痕跡が未来への動きを雄弁に語るという洞察を示している。船が進むとき、前方に飛沫を上げると同時に、後方には航跡が残る。テイヤール・ド・シャルダンは、この比喩を用いて、人類の進化や歴史の歩みが「過去に残された痕跡」によって確認できることを強調している。

背景には、彼の進化論的歴史観がある。未来は直接見えなくとも、過去の痕跡をたどることで進化の方向性を読み取ることができる。化石や文明の遺産、人間社会の発展はすべて「航跡」として人類の運動を物語っている。つまり、人類の進歩は現在や未来の成果だけでなく、過去に刻まれた証拠によっても確認できる。

現代的に解釈すれば、この言葉は歴史や科学的探究の意義を照らす。未来を展望するには、航跡=過去を理解することが不可欠であり、そこにこそ人類の進むべき方向が示されている。テイヤールの言葉は、過去と未来をつなぎ、歴史の痕跡を未来予測の源泉とする重要性を鮮やかに表現している。

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