「いつの日か、人類が風や波や潮流や重力を征服した後、私たちは愛のエネルギーを神のために利用するようになるだろう。そしてそのとき、人類は世界の歴史において二度目の火を発見するのである。」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“Someday, after mastering the winds, the waves, the tides and gravity, we shall harness for God the energies of love, and then, for a second time in the history of the world, man will have discovered fire.”
日本語訳
「いつの日か、人類が風や波や潮流や重力を征服した後、私たちは愛のエネルギーを神のために利用するようになるだろう。そしてそのとき、人類は世界の歴史において二度目の火を発見するのである。」
解説
この言葉は、人類の進歩の究極の段階を「愛のエネルギー」の発見に見いだしている。人類は自然の力を制御することで文明を築いてきたが、テイヤールは次なる段階として、愛を物理的エネルギーに匹敵する力として活用する未来を示唆する。それは人類の精神的進化の到達点であり、新たな火の発見に等しいと述べている。
歴史的背景として、20世紀は科学技術の飛躍的な進展と同時に戦争や分裂を経験した時代であった。テイヤールはその中で、人間が真に未来を切り開くには科学的征服だけではなく、愛という普遍的な結合力を活用すべきだと考えた。これは単なる感情論ではなく、愛を社会統合や人類の進化を導く力とみなす哲学的立場である。
現代においても、AIや宇宙開発、再生エネルギーなど人類は自然の力を次々に制御している。しかし、その力を破壊ではなく共生に向けるためには、愛と連帯を基盤としたエネルギーの活用が不可欠である。この名言は、科学と倫理、力と愛を統合する未来への指針として、いまも大きな意義を持つ。
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