「人間という個は、自らの死を、後に残す子孫や業績のことを思うことで慰める」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Man the individual consoles himself for his passing with the thought of the offspring or the works which he leaves behind.”

日本語訳

「人間という個は、自らの死を、後に残す子孫や業績のことを思うことで慰める」

解説

この言葉は、人間が死の必然性をどのように受け入れるかについての洞察である。テイヤール・ド・シャルダンは、個人としての存在は有限であるが、その有限性を補うものとして子孫や業績を挙げている。つまり、人は自らの生命が終わることを意識しながらも、後に残るものを通して永続性を見いだそうとするのである。

背景には、進化論的視点と宗教的信念の両方がある。生物学的に見れば、種の存続は子孫に依存し、文化的には思想や作品が次世代に受け継がれる。シャルダンはこの事実を認めつつ、それを単なる慰めとしてではなく、人間が進化の全体に参与する仕方として捉えた。個人の死は消滅ではなく、より大きな流れへの継承と理解される。

現代的に考えると、この言葉は自己超越の観点を示している。人は死を避けることはできないが、子どもを育てたり、学問や芸術に貢献したりすることで、未来に痕跡を残し続けることができる。この名言は、人間存在の有限性と、その中での持続的価値の可能性を端的に表現している。

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