「愛とは、世界の要素を結びつけ、引き寄せる親和力である……実際、愛は普遍的統合の媒介者なのである」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“Love is the affinity which links and draws together the elements of the world… Love, in fact, is the agent of universal synthesis.”
日本語訳
「愛とは、世界の要素を結びつけ、引き寄せる親和力である……実際、愛は普遍的統合の媒介者なのである」
解説
この言葉は、テイヤール・ド・シャルダンの思想における愛の根源的役割を示している。彼にとって愛は単なる感情ではなく、宇宙の進化を推し進める基本的な力であり、物質と精神、個と全体を統合する普遍的なエネルギーとされた。愛があるからこそ、人間も社会も宇宙も秩序と方向性を持つという視点である。
当時の科学思想では、進化は自然選択や物理法則によって説明されていたが、シャルダンはそこに愛という結合の原理を重ね合わせた。彼の視点では、進化は単なる生物学的過程ではなく、宇宙的な意味を持つ霊的・統合的運動である。その中で愛は「普遍的統合の媒介者」として位置づけられ、人間関係から宇宙の秩序に至るまでを結び付ける中心概念となった。
現代的に考えると、この名言は人類社会における協調と共生の必要性を示唆する。個人の利益や競争だけではなく、愛や連帯があってこそ人類は持続的に発展できる。国際社会の協力、異文化理解、環境保護などもまた「愛による普遍的統合」の一部と捉えられる。この言葉は、科学と倫理、個と全体を結びつける普遍的な力としての愛を改めて強調しているのである。
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