「もし私たちが幸福であろうとするなら、まず抵抗の最も少ない道に従おうとする傾向に逆らわなければならない。その傾向は、私たちを現状にとどまらせるか、あるいは人生に新たな推進力を与えるものを主として外的な活動に求めさせるからである」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“If we are to be happy, we must first react against our tendency to follow the line of least resistance, a tendency that causes us either to remain as we are, or to look primarily to activities external to ourselves for what will provide new impetus to our lives.”

日本語訳

「もし私たちが幸福であろうとするなら、まず抵抗の最も少ない道に従おうとする傾向に逆らわなければならない。その傾向は、私たちを現状にとどまらせるか、あるいは人生に新たな推進力を与えるものを主として外的な活動に求めさせるからである」

解説

この言葉は、人間の幸福と努力の関係を論じている。テイヤール・ド・シャルダンは、幸福は単なる受動的な結果ではなく、安易な道を避け、内面的な力を養うことで得られると考えた。「抵抗の少ない道」とは、惰性や外部依存に流される生き方を指し、それを克服することが真の幸福への条件であるとされている。

背景には、彼の進化論的信仰観がある。進化は常に困難や挑戦を伴い、そこにおいて生命は成長し深化する。同様に人間の精神的進化もまた、安易さを避け、自らの内に新たな活力を見いだす営みでなければならない。外的な刺激に頼るのではなく、自分の内的成長を推進力とする姿勢が強調されている。

現代的に見ると、この言葉は消費社会やデジタル時代における人間の姿勢に通じる。娯楽や外的刺激に頼るだけでは一時的な満足しか得られず、持続的な幸福にはならない。むしろ、自ら課題に挑み、努力を通じて内的充実を育むことが必要である。この名言は、幸福を能動的に創り出す生き方を求める強い指針となっている。

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