「私はこうした考えを表現したい――ついに小さな国々、小さな仲間集団、小さな宗派の仕切りや天井を突き抜け、それらすべてを超えて立ち上がり、自らを地球の子であり市民であると見いだす人間の考えを」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“I would like to express the thoughts of a man who, having finally penetrated the partitions and ceilings of little countries, little coteries, little sects, rises above all these categories and finds himself a child and citizen of the Earth.”
日本語訳
「私はこうした考えを表現したい――ついに小さな国々、小さな仲間集団、小さな宗派の仕切りや天井を突き抜け、それらすべてを超えて立ち上がり、自らを地球の子であり市民であると見いだす人間の考えを」
解説
この言葉は、人間の意識が国家や宗派の狭い枠を超えて普遍的な地球的視野へと到達することを示している。テイヤール・ド・シャルダンは、進化を単なる生物学的過程ではなく、人類の精神的拡大の運動と捉え、その帰結として「地球市民」という意識に至ることを見通していた。
背景には、20世紀前半の戦争や分断の経験がある。人類は国家や宗教の境界によって対立を繰り返してきたが、シャルダンはそれを乗り越える必要性を説いた。「地球の子であり市民」という表現は、人類全体が共通の運命を担う存在であることを強調し、個別の集団を超えた普遍的連帯を示すものである。
現代において、この思想はますます重要性を増している。気候変動、環境破壊、パンデミック、国際紛争といった課題は、国家や宗派の枠を超えた協力を不可欠とする。テイヤールの言葉は、人類が共通の地球的意識を持つことで初めて未来を切り開けるという普遍的メッセージを伝えている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?