「私は自分の最良の部分を地質学に負っている。しかし、地質学が私に教えてくれたすべては、私を死せるものから遠ざける傾向がある。」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“I owe the best of myself to geology, but everything it has taught me tends to turn me away from dead things.”
日本語訳
「私は自分の最良の部分を地質学に負っている。しかし、地質学が私に教えてくれたすべては、私を死せるものから遠ざける傾向がある。」
解説
この言葉は、テイヤールの学問的背景と精神的志向を対比的に示している。彼は地質学という過去の地球と物質の歴史を解き明かす学問から多大な影響を受け、自身の知的形成において欠かせないものとしている。しかし同時に、その学問を通じて、単なる鉱物や化石といった「死んだもの」ではなく、生命や精神の次元へ向かう志向を強めていったことが述べられている。
歴史的背景として、テイヤールは地質学者・古生物学者でありながら神学者でもあった。地質学的研究を通じて自然の壮大な時間軸に触れる一方で、そこに留まらず、進化と生命の躍動を神的秩序の中で理解しようとした。そのため「死んだもの」よりも「生きたもの」へ、さらには「精神の進化」へと関心を移していったのである。
現代においても、この言葉は科学と人間精神の関係を考える上で示唆的である。自然科学は物質の理解を深めるが、それにとどまらず、生命の意味や人間の精神的進化を探求する動機となり得る。テイヤールの姿勢は、学問を超えて「生きた全体」へ視線を向ける重要性を教えている。
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