「私はハワイ諸島を大いに楽しんだ。そこは実に小さな楽園である。アメリカ人の流入によって最も快適な保養地の一つとなってしまったにもかかわらず。温和な気候と熱帯の豊かさ、緑、芳香、そして花々――驚くべき花々が最も高い木々を覆い、それらを巨大な花束に変えてしまう」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“I greatly enjoyed the Hawaiian Islands. They are a real little paradise in spite of the influx of Americans who have made it one of their most pleasant ‘centers of resort’: the soft climate and luxuriance of the tropics; the greenness, the fragrance, the flowers – extraordinary flowers covering the tallest trees and turning them into huge bouquets.”

日本語訳

「私はハワイ諸島を大いに楽しんだ。そこは実に小さな楽園である。アメリカ人の流入によって最も快適な保養地の一つとなってしまったにもかかわらず。温和な気候と熱帯の豊かさ、緑、芳香、そして花々――驚くべき花々が最も高い木々を覆い、それらを巨大な花束に変えてしまう」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンの自然美への感受性を示している。彼は地質学者・思想家であると同時に、旅先の風景に深い感銘を受ける観察者でもあった。ここではハワイの自然――温暖な気候、豊かな緑、香り高い花々――を「小さな楽園」と表現し、その美を称賛している。

背景には、彼の思想に通じる自然の神秘と霊的感覚がある。自然は単なる物質的環境ではなく、神聖さを帯びた「神的環境(divine milieu)」であり、人間を超えた存在の輝きを映し出す。ハワイの自然の豊かさを体験することは、彼にとって宇宙的な調和の一端に触れる行為でもあった。

現代的に解釈すれば、この言葉は自然体験の価値を再認識させる。観光地化によって人為的な影響を受けつつも、自然そのものが持つ美と力は人間の心を深く動かす。都市化や環境破壊が進む時代においても、花や緑の力を「小さな楽園」として享受する視点は、人間の精神に必要なものである。この名言は、自然美が人間に与える普遍的な喜びと霊的充足を描き出している。

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