「私が宇宙感覚と呼ぶのは、我々を取り巻く全体と心理的に結びつける、多少混乱した親和性である。この感覚の存在は疑う余地がなく、思考の始まりと同じくらい古いものであるらしい……人間が森や海や星々と向き合った瞬間に、この宇宙感覚は生まれたに違いない」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“I give the name of cosmic sense to the more or less confused affinity that binds us psychologically to the All which envelops us. The existence of this feeling is indubitable, and apparently as old as the beginning of thought… The cosmic sense must have been born as soon as man found himself facing the forest, the sea and the stars.”

日本語訳

「私が宇宙感覚と呼ぶのは、我々を取り巻く全体と心理的に結びつける、多少混乱した親和性である。この感覚の存在は疑う余地がなく、思考の始まりと同じくらい古いものであるらしい……人間が森や海や星々と向き合った瞬間に、この宇宙感覚は生まれたに違いない」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンが唱えた「宇宙感覚(cosmic sense)」の概念を示している。人間は自然に直面したとき、単なる物理的存在としてではなく、自らを包む全体と深い心理的結びつきを感じる。これは科学的説明を超えた根源的感覚であり、思考の誕生と同時に芽生えた人類固有の精神的資質とされる。

背景には、彼の進化的スピリチュアリティがある。人間が森や海や星と向き合うときに抱いた畏敬や神秘感は、文化や宗教の原点となり、やがて体系化された信仰や哲学へと発展した。宇宙感覚は単なる情緒ではなく、人間が自らの存在を宇宙的文脈に位置づける能力の源泉と理解される。

現代的に解釈すれば、この言葉は環境意識や宇宙観の重要性に通じる。人類が自然破壊や宇宙探査の時代に生きる今こそ、森や海や星を前に抱いた根源的な感覚を思い出す必要がある。宇宙感覚は、科学と宗教、自然と人間をつなぐ架け橋であり、人類が全体の一部として生きる意識を呼び覚ますものである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「テイヤール」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る