「人類は今なお前進しており、何十万年もの間おそらく前進を続けるだろう。ただしそれは、私たちが祖先と同じく、より大きな意識と複雑さへと向かう前進の路線を保つことを知っている場合に限られる」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“Humanity is still advancing; and it will probably continue to advance for hundreds of thousands of years more, always on condition that we know how to keep the same line of advance as our ancestors towards ever greater consciousness and complexity.”
日本語訳
「人類は今なお前進しており、何十万年もの間おそらく前進を続けるだろう。ただしそれは、私たちが祖先と同じく、より大きな意識と複雑さへと向かう前進の路線を保つことを知っている場合に限られる」
解説
この言葉は、人類の進化が現在も続いており、未来にわたって長期的に発展しうるというテイヤール・ド・シャルダンの進化的楽観を表している。ただし、その条件として「より大きな意識と複雑さ」という進化の方向性を維持する必要があると強調されている。つまり進歩は自動的に保証されるものではなく、人類が正しい方向を自覚的に選び取ることが求められる。
背景には、彼の進化論的世界観とキリスト教的信仰がある。進化は生物学的変化だけでなく、精神的・社会的次元でも進むと彼は考えた。そしてその本質は、意識の深化と社会の複雑化による全体的な統合である。祖先がその道を歩んできたように、現代人もまたその流れを継承しなければならないという歴史的連続性が強調されている。
現代において、この名言は持続可能な未来を考える上で示唆的である。科学技術の発展やグローバル化は進んでいるが、それが人類をより大きな意識と複雑さに導くか、それとも破滅に向かわせるかは選択にかかっている。進化の方向性を見誤らないことこそが人類の課題であり、この言葉は未来に対する責任ある視座を与えている。
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