「老いることは、犯してもいない罪に対してますます罰を科されるようなものだ」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“Growing old is like being increasingly penalized for a crime you haven’t committed.”
日本語訳
「老いることは、犯してもいない罪に対してますます罰を科されるようなものだ」
解説
この名言は、老いの理不尽さを鋭く描いている。加齢は避けられない自然現象であるにもかかわらず、それはしばしば肉体的衰えや社会的制約という「罰」のように感じられる。罪を犯していないのに罰を受けるという比喩は、老いが必然でありながら不条理さを伴うことを端的に表している。
背景には、テイヤール・ド・シャルダンが人間存在を進化の文脈で捉えつつも、老いと死の不可避性に直面した個人的な実感がある。進化が未来へと開かれた希望を与える一方で、個人は老いによって制約を受ける。この矛盾が「罪なき罰」として語られている。
現代的に考えれば、この言葉は高齢化社会における人間の尊厳の問題に通じる。老いは個人の責任ではないのに、社会的には不利益や孤立をもたらしやすい。医療や福祉の発展によって寿命が延びる一方で、老いをどう受け入れ、意味づけるかが課題となる。この名言は、老いの不条理を指摘しつつ、その受け止め方を問い直す普遍的な洞察を与えている。
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