「私にとって真の地球とは、宇宙の中で選ばれた一部であり、いまだほとんど普遍的に分散し、徐々に分離しつつあるが、少しずつキリストにおいて身体と形を帯びつつあるものである」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“For me, the real earth is that chosen part of the universe, still almost universally dispersed and in course of gradual segregation, but which is little by little taking on body and form in Christ.”

日本語訳

「私にとって真の地球とは、宇宙の中で選ばれた一部であり、いまだほとんど普遍的に分散し、徐々に分離しつつあるが、少しずつキリストにおいて身体と形を帯びつつあるものである」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンの宇宙的キリスト論を表している。彼にとって「真の地球」とは単なる物質的惑星ではなく、進化の過程で霊的に形づくられていく場であった。それは全宇宙の中から選び取られた領域であり、散在する要素が統合されていくことで、最終的にキリストにおいて完成されると考えられた。

背景には、彼の「オメガ・ポイント」思想がある。宇宙は物質から生命、生命から意識へと進化し、その最終的な統合はキリストにおいて実現される。したがって、地球は単なる物理的存在ではなく、宇宙的進化が霊的完成へ向かう舞台としての意味を持つ。この観点から「真の地球」とは、進化の霊的目標に向かう地球の姿を指している。

現代的に解釈すれば、この言葉は人類の地球における使命を示唆している。環境問題やグローバルな分断の中で、地球を単なる資源や居住の場としてではなく、精神的・統合的進化の拠点として捉えることは大きな意義を持つ。テイヤールの言葉は、地球そのものがキリストにおいて「形を帯びつつある存在」であり、我々はその進化に参与する責任を担っていることを示している。

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