「誰しも疑いなく、何よりもまず自国の人間であり続け、そこから自らの原動力を引き出し続ける」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Everyone, no doubt, remains first and foremost a man of his own country and continues to draw from it his motive force.”

日本語訳

「誰しも疑いなく、何よりもまず自国の人間であり続け、そこから自らの原動力を引き出し続ける」

解説

この言葉は、人間と祖国との根源的な結びつきを表している。テイヤール・ド・シャルダンは、人が地球規模の存在や普遍的な意識を持ち得るとしても、その出発点は常に自国との関係にあると認識していた。人は文化や言語、歴史や風土といった基盤から力を受け取り、その影響を完全に離れることはできない。

背景には、20世紀初頭の国際的動揺とナショナリズムの台頭がある。シャルダン自身は普遍的視野を強調し「地球市民」という概念を語ったが、それは自国との結びつきを否定するものではなく、自国から受ける力を普遍的次元に昇華する必要性を示すものだった。

現代においても、この言葉はグローバル化とナショナル・アイデンティティの両立という課題に通じる。人は国境を越えて活動する存在であっても、無意識に自国の文化や価値観から力を得ている。したがって、祖国への帰属と地球的意識の調和が求められる。この名言は、その緊張関係を認めた上での現実的な人間理解を提示している。

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