「愛の力に駆り立てられて、世界の断片は互いを求め合い、それによって世界は生成する」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Driven by the forces of love, the fragments of the world seek each other so that the world may come to being.”

日本語訳

「愛の力に駆り立てられて、世界の断片は互いを求め合い、それによって世界は生成する」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンが説く愛の宇宙的役割を端的に表している。彼にとって愛は単なる人間的感情ではなく、宇宙の根源的エネルギーであり、分断された存在を結び合わせ、世界を形成する原理である。すなわち、愛は宇宙を構成する断片を統合し、進化と生成の推進力となる。

背景には、彼の進化神学と「オメガ・ポイント」思想がある。宇宙は物質から生命、生命から意識へと進化し、その過程は分離から結合へと向かう。愛はその結合を可能にする力であり、世界を「バラバラの断片」から「統一された全体」へと導く。ここでの愛は、個人的・感情的次元を超えて、宇宙的統合の原動力として理解される。

現代的に解釈すれば、この言葉は人間社会の分断を超える結合原理としての愛を強調している。国家や文化、思想の違いによる分裂が目立つ時代にあっても、愛は人類を結びつけ、新しい世界を形成する可能性を秘めている。テイヤールの言葉は、愛を進化の最も根本的な力として捉え、世界の生成と未来を開く鍵であることを示している。

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