「キリストは死を征服された。それは単にその悪しき効果を抑えることによってではなく、その毒を逆転させることによってである。キリストの復活の力によって、もはや何ものも必然的に死をもたらすのではなく、すべてが神の御手の祝福された触れ合い、神の御心の祝福された働きとなり得るのである」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Christ has conquered death, not only by suppressing its evil effects, but by reversing its sting. By virtue of Christ’s rising again, nothing any longer kills inevitably, but everything is capable of becoming the blessed touch of the divine hands, the blessed influence of the will of God upon our lives.”

日本語訳

「キリストは死を征服された。それは単にその悪しき効果を抑えることによってではなく、その毒を逆転させることによってである。キリストの復活の力によって、もはや何ものも必然的に死をもたらすのではなく、すべてが神の御手の祝福された触れ合い、神の御心の祝福された働きとなり得るのである」

解説

この言葉は、キリストの復活による死の意味の変革を語っている。テイヤール・ド・シャルダンは、死を単なる終焉や破滅としてではなく、復活の力によって新たな価値に転じられたものと理解した。ここで強調されているのは、キリストが死の「毒」を取り去っただけでなく、それを神の祝福の道具へと転換させたという視点である。

背景には、キリスト教神学における復活の中心的意義がある。復活は死を否定するのではなく、それを超えて永遠の命へと導く出来事である。シャルダンはこの伝統的理解をさらに進め、あらゆる出来事が神の御心において祝福へと変えられる可能性を持つと述べている。死を含むすべてが、神の働きの媒介になり得るのである。

現代的に考えると、この名言は苦しみや死に対する希望の視座を与える。死や不幸を完全に取り除くことはできないが、信仰を通じてそれらは新たな意味と価値へと転換される可能性を持つ。この言葉は、死の現実を否定するのではなく、神との一致の中でそれを祝福された出来事へと変える信仰の力を示している。

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