「恒星における極端な高温では、物質は最も分離した状態でしか存在できない。これら燃え盛る恒星には単純な物質のみが存在する」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“At the extreme temperature occurring in the stars, matter can only survive in its most dissociated states. Only simple bodies exist on these incandescent stars.”

日本語訳

「恒星における極端な高温では、物質は最も分離した状態でしか存在できない。これら燃え盛る恒星には単純な物質のみが存在する」

解説

この名言は、恒星内部の物質の状態について語ったものであり、テイヤール・ド・シャルダンの自然科学的洞察を示している。極端な高温環境では複雑な分子や化合物は分解され、原子やイオンのような単純な形態だけが存在できる。恒星は複雑な生命や化学的多様性を支える場ではなく、基本的な物質状態を維持する場であると理解される。

背景には、彼の地質学・古生物学の知識と、宇宙進化に対する広い関心がある。物質は星の内部で極度に単純化され、そこから元素が生まれ、それが後に惑星や生命を支える基盤となる。この視点は、星の役割を進化の源泉として捉えるものであり、彼の「宇宙進化論」にもつながる。

現代的に解釈すれば、この言葉は天体物理学の核心に響き合う。恒星核融合によって元素が生成され、宇宙の物質循環が成り立つことは今日では確立された科学的事実である。恒星の極限環境における単純物質の存在は、後の複雑な構造や生命の出発点となる。テイヤールの洞察は、単純から複雑への宇宙的進化のプロセスを先取りしているといえる。

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