「他の子供たちが、人や芸術や宗教に対して初めて『感情』を抱く年頃に、私は優しく、善良で、そして敬虔でさえあった。つまりそれは、母の影響のもとで、幼子イエスへの信心に身を捧げていたということである」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“At the age when other children, I imagine, experience their first ‘feeling’ for a person, or for art, or for religion, I was affectionate, good, and even pious: by that I mean that under the influence of my mother, I was devoted to the Child Jesus.”
日本語訳
「他の子供たちが、人や芸術や宗教に対して初めて『感情』を抱く年頃に、私は優しく、善良で、そして敬虔でさえあった。つまりそれは、母の影響のもとで、幼子イエスへの信心に身を捧げていたということである」
解説
この言葉は、テイヤール・ド・シャルダンの幼少期の宗教的感受性を回想したものである。彼は他の子供たちが人間関係や芸術体験を通じて感情を育んでいた時期に、自らは母の影響によって宗教的な方向に心を向けていたと述べている。特に「幼子イエス」への信心は、純粋で素朴な信仰心を象徴している。
背景には、カトリック家庭で育った彼の環境がある。母親の篤い信仰は幼い彼に強い影響を与え、早い段階から宗教的生活に親しむこととなった。この体験は後の彼の思想形成に深く結びつき、科学と信仰を統合しようとする姿勢の根幹をなしたと考えられる。
現代的に読むなら、この名言は子供時代の環境と親の影響が人生観を大きく形づくることを示している。芸術や宗教への感受性は早い段階で芽生え、その後の人格や思想に持続的な影響を与える。シャルダンにとっての「幼子イエスへの献身」は、後の進化的神学の基礎を培った幼少期の経験として特に重要であった。
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