「宇宙の感覚、全体性の感覚、そして自然や美や音楽に触れたとき私たちをとらえる郷愁――これらは大いなる存在を待ち望み、またそれを感じ取る意識の表れのように思われる。」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“A sense of the universe, a sense of the all, the nostalgia which seizes us when confronted by nature, beauty, music — these seem to be an expectation and awareness of a Great Presence.”

日本語訳

「宇宙の感覚、全体性の感覚、そして自然や美や音楽に触れたとき私たちをとらえる郷愁――これらは大いなる存在を待ち望み、またそれを感じ取る意識の表れのように思われる。」

解説

この言葉は、人間が自然や芸術の体験を通じて抱く深い感情の根源について語っている。壮大な自然の光景や美しい旋律に触れたとき、私たちは単なる快楽以上のもの、「何か大きなものへの憧れ」を感じることがある。これがテイヤールの言う「大いなる存在」への予感である。

歴史的に見ると、この感覚は宗教的な直感や神秘体験と結びつき、人類の精神文化を形成してきた。多くの宗教や哲学は、この「宇宙的な郷愁」を、神や超越的存在へのしるしとして解釈してきた。つまり、私たちの心の奥底には、無限なるものを求める傾向が備わっているという思想である。

現代においても、人は科学的知識を持ちながら、自然や芸術に触れて心を震わせる。この感覚は単なる感傷ではなく、人間の精神が普遍的な意味や超越的な価値を求めている証拠といえるだろう。

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