「生命がそれほどに愛おしく、平和がそれほどに甘美であっても、鎖と奴隷の代価で買われるべきものなのか。全能の神よ、それを禁じたまえ。ほかの人々がどの道を選ぶか私は知らない。しかし、私に関しては自由か、さもなくば死を与えよ」

- 1736年5月29日~1799年6月6日(63歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 弁護士、政治家
英文
”Is life so dear or peace so sweet as to be purchased at the price of chains and slavery? Forbid it, Almighty God! I know not what course others may take, but as for me, give me liberty, or give me death!”
日本語訳
「生命がそれほどに愛おしく、平和がそれほどに甘美であっても、鎖と奴隷の代価で買われるべきものなのか。全能の神よ、それを禁じたまえ。ほかの人々がどの道を選ぶか私は知らない。しかし、私に関しては自由か、さもなくば死を与えよ」
解説
この言葉はアメリカ独立戦争期における最も有名な演説の一節であり、植民地住民が自由と独立を選び取る覚悟を示している。生命や平和といった普遍的価値ですら、奴隷状態のもとでは真の意味を失うという強烈な対比によって、聴衆の心を揺さぶったのである。
当時、アメリカ植民地は大英帝国の支配下にあり、課税や統治の不満が積み重なっていた。パトリック・ヘンリーはこの演説を通じて、妥協や服従ではなく断固とした抵抗と独立への戦いを促した。この言葉は宗教的表現を交えつつも、政治的実践への呼びかけとなり、人々の士気を大いに高めた。
現代においてもこの名言は、個人や社会が自由を守るためにいかなる犠牲を払うべきかという普遍的な課題を投げかけている。民主化運動や人権闘争の場面でしばしば引用され、圧政に屈せず信念を貫く姿勢の象徴となっている。例えば、東欧の民主化運動や南アフリカの反アパルトヘイト闘争においても、同様の精神が繰り返し強調されてきたのである。
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