「西洋においても、自然を外的に征服することと同様に、内的な自己制御の科学が必要であると認識される日が近づいている。この新しい原子の時代において、人々の心は、物質が実際にはエネルギーの凝縮であるという、いまや科学的に疑う余地のない真理によって冷静さを増し、視野を広げるだろう」

- 1893年1月5日~1952年3月7日(59歳没)
- インド出身
- ヨーガ指導者
英文
”The Western day is indeed nearing when the inner science of self-control will be found as necessary as the outer conquest of nature. This new Atomic Age will see men’s minds sobered and broadened by the now scientifically indisputable truth that matter is in reality a concentrate of energy.”
日本語訳
「西洋においても、自然を外的に征服することと同様に、内的な自己制御の科学が必要であると認識される日が近づいている。この新しい原子の時代において、人々の心は、物質が実際にはエネルギーの凝縮であるという、いまや科学的に疑う余地のない真理によって冷静さを増し、視野を広げるだろう」
解説
この言葉は、科学的進歩と精神的進化の均衡を強調している。ヨガナンダは、西洋文明が自然を支配し物質的進歩を遂げる一方で、内面的な自己制御の学問が軽視されている点を指摘する。外界の征服と同じくらい、内面の調和が必要であり、それが欠ければ人類は真の成長に至らないという警告である。
背景として、この言葉は20世紀半ばの「原子の時代」を反映している。核エネルギーの発見は、人類に無限の可能性と同時に破壊の危険をもたらした。ヨガナンダは、物質がエネルギーにすぎないという物理学の発見を霊的文脈に結びつけ、科学と霊性の統合を提唱した。つまり、科学的知識は人類の意識を拡大させる手段であり、それが正しく応用されるためには精神的成熟が不可欠であると説いたのである。
現代においても、この教えは極めて重要である。テクノロジーの進歩は生活を豊かにする一方で、倫理や自己制御の欠如が新たな問題を生んでいる。AIや遺伝子工学といった分野でも、人間の内的成熟と責任ある利用が問われている。したがってこの名言は、科学と精神性の両輪によってこそ人類が真に進歩できるという普遍的な指針を示しているのである。
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