ダ・ヴィンチ「絵画は視覚の10の属性すべてに関わる。それらは、闇、光、固さ、色、形、位置、距離、近さ、動き、そして静止である」
- 1452年4月15日～1519年5月2日
- イタリア人
- 万能人（画家、彫刻家、建築家、発明家、科学者など）
- 絵画「モナ・リザ」や「最後の晩餐」をはじめとする芸術作品の制作、さらに「飛行機の設計図」や「解剖学の研究」などの科学や工学における先駆的なアイデアも多く残した
英文
“Painting is concerned with all the 10 attributes of sight; which are: Darkness, Light, Solidity and Colour, Form and Position, Distance and Propinquity, Motion and Rest.”
日本語訳
「絵画は視覚の10の属性すべてに関わる。それらは、闇、光、固さ、色、形、位置、距離、近さ、動き、そして静止である」
最初に
この名言は、レオナルド・ダ・ヴィンチが絵画における視覚の役割を詳細に述べたものである。彼は、視覚が捉える要素を分析し、絵画がこれらの視覚的属性に深く関与していることを強調している。この言葉は、絵画という芸術が単なる色や形だけでなく、複雑な視覚の全体を扱っていることを示している。
解説
ダ・ヴィンチは、絵画を「視覚の科学」として捉えており、絵画がどのように視覚的な現実を再現し、表現するかを詳細に研究していた。この名言では、視覚が持つ10の属性を列挙し、それらすべてが絵画において重要な役割を果たすことを示している。
「闇」と「光」は、絵画における陰影やコントラストを作り出す基本的な要素である。これらは、対象物の立体感や深みを表現するために不可欠であり、絵画に奥行きやリアリズムを与える役割を果たす。ダ・ヴィンチは、光と影の相互作用を巧みに利用し、絵画に生命感を与えた。
「固さ」と「色」は、物体の質感や存在感を表現するために必要な要素である。固さは物体の質量や形状を感じさせ、色は物体の特性や感情を視覚的に伝える手段となる。ダ・ヴィンチは、色彩や質感を精密に描写することで、絵画に豊かな感覚的体験をもたらしている。
「形」と「位置」は、対象物の輪郭や配置を示すもので、視覚的に物体の構造やバランスを理解するための基盤となる。また、「距離」と「近さ」は、空間的な関係性や遠近感を表現する要素であり、これにより絵画に奥行きやリアリズムが加わる。
最後に、「動き」と「静止」は、絵画におけるダイナミズムや静寂を表現するための重要な要素である。ダ・ヴィンチは、静止した瞬間の中に動きの感覚を捉え、動と静を効果的に対比させることで、絵画に生命感を吹き込んでいた。
これらすべての要素が相互に作用し合い、絵画という芸術を形作っている。ダ・ヴィンチのこの名言は、絵画が視覚の全体的な体験を再現し、視覚的な世界を正確に、そして芸術的に表現するための手段であることを示している。
結論
レオナルド・ダ・ヴィンチのこの名言は、絵画が視覚の10の属性すべてを扱う総合的な芸術であることを示している。彼は、絵画が単に形や色を描くだけでなく、視覚的な現実を深く理解し、再現するための複雑な要素を含んでいると考えていた。この言葉は、絵画の奥深さや視覚芸術の科学的な側面を強調し、絵画が視覚を通じてどのように現実を表現するかに対する洞察を提供している。
