「早熟な天才と見なされるかもしれないのは、子どもの天才である。子どもが成長すると、それは跡形もなく消える。その少年がいつか本物の画家、あるいは偉大な画家になるかもしれない。しかし、その時には、すべてをゼロからやり直さなければならない」

パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソの名言
  • 1881年10月25日~1973年4月8日
  • スペイン出身
  • 画家、彫刻家、版画家
  • キュビスムを創始し、20世紀の美術に革命的な影響を与え、『ゲルニカ』などの傑作を残した

英文

“What might be taken for a precocious genius is the genius of childhood. When the child grows up, it disappears without a trace. It may happen that this boy will become a real painter some day, or even a great painter. But then he will have to begin everything again, from zero.”

日本語訳

「早熟な天才と見なされるかもしれないのは、子どもの天才である。子どもが成長すると、それは跡形もなく消える。その少年がいつか本物の画家、あるいは偉大な画家になるかもしれない。しかし、その時には、すべてをゼロからやり直さなければならない」

解説

ピカソはこの名言で、子ども時代に見られる純粋な創造力と、成長後に必要な芸術的成熟との間にあるギャップを語っている。子どもの頃、私たちは社会的な枠組みに縛られず、直感や感情をそのまま表現することができるため、創造性において天才的な可能性を見せることがある。しかし、成長するにつれて、社会的な規範や技術的なスキルが必要となり、純粋で自由な表現が徐々に消えていくことをピカソは指摘している。この「天才の消失」は、子ども時代の自由さを忘れ、大人としての技術や知識に囚われてしまうことを意味している。

一方で、ピカソは、本物の画家偉大な画家になるためには、成長後にその自由な創造力を再び取り戻さなければならないと考えた。彼の作品に見られるように、ピカソ自身は絵画の技術を確立した後も、常に新しいスタイルやアプローチを追求し続け、ゼロからやり直す勇気を持ち続けた。これこそが、真の創造的な成長の証であり、無限の可能性を追い求める姿勢が偉大な画家に必要だとピカソは考えたのだろう。

現代においても、この名言は創造性に対する重要な洞察を提供している。子どものように自由で直感的な発想は大切だが、それを持続的な創造的成長に結びつけるためには、不断の努力と挑戦が必要である。特に、アートの世界では、自分のスタイルや技術を確立した後でも、常に新しいものを探し続ける姿勢が求められる。ピカソの言葉は、成長に伴って失われることのある純粋な創造力を再発見し、それを磨き続ける大切さを教えている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る