「顔とは一体何か?自分の写真か?メイクか?それともある画家によって描かれた顔か?前にあるものか?内側か?裏側か?それともその他?誰もが自分自身を自分なりの見方で見ているのではないか?変形など存在しない」
- 1881年10月25日~1973年4月8日
- スペイン出身
- 画家、彫刻家、版画家
- キュビスムを創始し、20世紀の美術に革命的な影響を与え、『ゲルニカ』などの傑作を残した
英文
“What is a face, really? Its own photo? Its make-up? Or is it a face as painted by such or such painter? That which is in front? Inside? Behind? And the rest? Doesn’t everyone look at himself in his own particular way? Deformations simply do not exist.”
日本語訳
「顔とは一体何か?自分の写真か?メイクか?それともある画家によって描かれた顔か?前にあるものか?内側か?裏側か?それともその他?誰もが自分自身を自分なりの見方で見ているのではないか?変形など存在しない」
解説
ピカソはこの名言で、顔というものの本質を問い直し、私たちが「見ているもの」と「実際のもの」の間にある相対性を指摘している。彼は、顔がただの物理的な外見や写真、メイクによって決まるものではないと考えていた。顔の認識は、視覚的な印象だけでなく、個人の内面や感情、経験によっても影響されるものだという意識がこの言葉に込められている。ピカソ自身、物理的な現実に対する視覚的な認識を超えて、内面的な真実を追求した芸術家であり、顔の描き方にもその考え方が反映されている。
この名言が意味するのは、顔に関する固定的な概念が存在しないということだ。私たちは自分の顔を他者と同じように見ることはないし、他者の顔もその人自身の内面や状況、関係性によって見方が変わる。ピカソは、「変形」とは単なる認識の違いであり、実際にはそれが「変形」ではなく、視覚や認識の自由な表現であると考えていた。彼は顔を、単なる外見的な構造ではなく、感情や心理的な状態を反映するものとして捉えていたため、顔の描写においても従来の写実的な表現を超えて、自由で抽象的なアプローチを取った。
現代の視覚文化においても、ピカソの考え方は重要な示唆を与えている。SNSやデジタル技術の進化により、私たちは自分自身をさまざまな方法で表現し、他者とコミュニケーションを取るようになった。顔や外見に対する見方や認識は、時代や文化によって異なり、顔は単なる外観ではなく、社会的、心理的なコンテクストで変化するものであるというピカソの視点は、今日の私たちにとっても新たな意味を持っている。
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