「なぜイラクは傷つけるのは簡単なのに、助けるのはこれほど難しいのか」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Why is Iraq so easy to harm and so hard to help?”

日本語訳

「なぜイラクは傷つけるのは簡単なのに、助けるのはこれほど難しいのか」

解説

この名言は、中東戦争、とりわけイラク戦争に対する根源的な問いと自己批判的な省察を含んでいる。P・J・オロークは、アメリカや他国の介入が破壊には成功しても、再建や支援には失敗し続けている現実を、簡潔かつ重たい問いかけの形で示している。

「harm(害する)」ことは軍事的・物理的手段で可能だが、「help(助ける)」ことには文化理解、持続的支援、制度構築など高度な関与と忍耐が必要であり、その複雑さを暗に指摘している。またこの言葉は、善意の介入ですら結果的に混乱や反発を招くという、国際政治のジレンマをも浮き彫りにしている。

この名言は、現代の紛争地支援にも通じる普遍的な教訓を含んでいる。つまり、破壊は一瞬だが、再建は世代を要するという事実である。オロークはこの問いを通して、軍事力や理想論では解決できない現実の重さ、そしてそれを背負う当事者と傍観者の責任を、静かな語り口で鋭く突いている。

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