「戦争特派員をやっていると、読者は君の味方をしてくれる。なぜなら読者は『うわ、それは自分には無理だな』と思っているからだ。だから彼らは君の側にいるんだ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
”When you’re a war correspondent, the reader is for you because the reader is saying, ‘Gee, I wouldn’t want to be doing that.’ They’re on your side.”
日本語訳
「戦争特派員をやっていると、読者は君の味方をしてくれる。なぜなら読者は『うわ、それは自分には無理だな』と思っているからだ。だから彼らは君の側にいるんだ」
解説
この名言は、P・J・オロークが戦場取材の心理的構造と読者との関係を、軽妙かつ鋭く描写した言葉である。戦争特派員という職業は危険で過酷なものであるが、オロークはそれを「読者の共感と尊敬を自然と引き出す立場」として語っている。ここには、報道の客観性とは別に存在する、読み手との感情的な結びつきが見て取れる。
読者は、実際に戦場に身を置いている記者の体験に対して、「自分にはできない」と感じることで、無意識のうちに記者に味方する立場を取る。これは報道の内容にかかわらず、語り手としての特派員に対する信頼や共感が先行する構造であることを、オロークはユーモアを込めて指摘している。
この言葉は、報道の受容者心理とジャーナリズムの演出的側面を示唆している。すなわち、記者はただ事実を伝えるだけでなく、自分自身の存在が「現場感」や「信憑性」を生む装置となる。オロークはその特権的立場を冷静に見つめ、読者との関係を操作せずとも得られる共感の力に対する自覚を語っているのである。
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