「富はピザではない。私がスライスを取りすぎたからといって、君がドミノの箱を食べる羽目になるわけではない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Wealth is not a pizza, where if I have too many slices you have to eat the Domino’s box.”

日本語訳

「富はピザではない。私がスライスを取りすぎたからといって、君がドミノの箱を食べる羽目になるわけではない」

解説

この名言は、P・J・オロークによる富と経済に対する誤解への痛烈な風刺である。特に、「富は有限なパイ(ゼロサム)である」という考え方――すなわち、一方が得れば他方が必ず損をするという発想を、ピザの喩えによって滑稽に否定している。

「私がピザを多く取ると、君は箱を食べなければならない」という比喩は、富の配分を単純な取り合いとして捉える愚かさを可視化する。オロークはここで、経済成長や価値創出の概念を前提に、富は生み出され拡大し得るものであって、誰かが裕福だからといって他人が貧しくなるわけではないという自由主義経済の基本原理を、ユーモアを交えて強調している。

この発言は、再分配や平等論の根底にある感情的な反発や誤認に対する批判とも取れる。もちろん現実の経済格差は深刻な問題であるが、それを「誰かが取りすぎたからだ」とだけ見るのは単純すぎるという立場をオロークは取っている。彼は皮肉と笑いを通じて、より本質的な経済理解を促そうとしているのである。

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