「下院と上院のすべての議席、大統領執務室の机の後ろの椅子、そして最高裁判所の全員が『本当はそこにいたくない』と思っている人々で埋まったとき、我々は選挙に勝つだろう」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“We will win an election when all the seats in the House and Senate and the chair behind the desk in the Oval Office and the whole bench of the Supreme Court are filled with people who wish they weren’t there.”
日本語訳
「下院と上院のすべての議席、大統領執務室の机の後ろの椅子、そして最高裁判所の全員が『本当はそこにいたくない』と思っている人々で埋まったとき、我々は選挙に勝つだろう」
解説
この言葉は、政治的権力への欲望が強い者が支配する現状への痛烈な批判である。P・J・オロークは、本当にふさわしい政治家とは、権力を求めない人間であるという逆説的な理想を表明している。「いたくない人こそ、いるべき人」という価値観が、この名言の中心にある。
この考え方は、権力志向の政治家ほど自己利益や党派的利益に傾きやすく、真に公共のために働く動機が薄れがちであるという古典的な懐疑に基づいている。たとえば、ジョージ・ワシントンが2期で政権を退いたように、「仕方なく務めを引き受ける人間」こそが、公益のために冷静で誠実な判断を下せるという考えが、ここでのユーモアの裏にある。
現代の政治では、自己演出や野心の強い人物が目立ちやすいが、この名言は理想的なリーダー像とは何かを考えさせる。地位や権力にしがみつかず、むしろそれを負担と捉える人物が、最も信頼に足る政治家であるというこの視点は、皮肉でありながら、極めて誠実な政治哲学を表している。
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