「残念ながら、人間の本性ゆえに我々には政府が必要なのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“We need a government, alas, because of the nature of humans.”

日本語訳

「残念ながら、人間の本性ゆえに我々には政府が必要なのだ」

解説

この名言は、人間の不完全性とそれに対する統治の必要性を、簡潔かつ冷静に表現している。P・J・オロークはここで、「alas(残念ながら)」という言葉を添えることで、政府の存在を歓迎するというよりも、やむを得ない現実として受け入れている姿勢を示している。つまり、政府は理想ではなく、人間の欠点を前提とした「必要悪」として捉えられているのである。

「the nature of humans(人間の本性)」とは、利己心、暴力性、無秩序、責任回避などを含む広い意味での自己中心的傾向や社会的不安定性を指している。オロークは、こうした性質がある以上、自由放任のままでは社会が成立しえず、政府による制御や仲裁が不可欠であると述べているに等しい。

この名言は、理想主義的な「無政府状態への憧れ」や「政府不要論」に対する現実主義的な反論とも読める。人間を信頼しきれないからこそ、政府という構造が必要になる――これは、保守的な政治哲学や古典的自由主義の根幹にある「制度による人間性の抑制」という思想にも通じるものである。人間を賛美するのではなく、人間を知ったうえで必要な仕組みを認めるという、成熟した政治観が込められた一言である。

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