「戦争は政府の権限を拡大する。問題は、戦争が終わってもその権限が消えないことだ」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“War expands government powers. The trouble is that, when the war goes away, the government powers do not.”
日本語訳
「戦争は政府の権限を拡大する。問題は、戦争が終わってもその権限が消えないことだ」
解説
この言葉は、戦争と国家権力の関係性を警告する政治的名言である。有事には政府が国民の安全を理由にして強大な権限を手にするが、平時に戻ってもその権限は維持されがちであるという事実を、簡潔に、かつ批判的に指摘している。
歴史的にも、アメリカの南北戦争、第一次・第二次世界大戦、そして冷戦、9.11以後の対テロ戦争において、政府は戦時体制の名のもとに監視、検閲、徴税、軍備拡張などの権限を拡大してきた。しかしそれらの措置が完全に撤回されることは稀であり、結果として国家の介入範囲が徐々に広がる傾向が生じる。このような構造に対して、オロークは自由主義者・リバタリアンの立場から強い懸念を示している。
現代においても、非常事態宣言や安全保障を名目にした法制度の拡張が行われる場面は多い。オロークのこの発言は、一時的な脅威への対処が恒久的な統治権限の強化へと変質するリスクを、市民が常に監視すべきであるという警句として読むことができる。自由は、戦争のような例外的状況下でこそ最も脆弱になるのである。
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