「アメリカ合衆国において投票は急増し、いまや18歳以上の国民一人につきほぼ一票が行き渡る地点に達している」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Voting has proliferated in the United States, and it has reached a point where there is now almost one vote available per citizen over the age of eighteen.”

日本語訳

「アメリカ合衆国において投票は急増し、いまや18歳以上の国民一人につきほぼ一票が行き渡る地点に達している」

解説

この名言は、選挙制度の拡大とアメリカ政治への皮肉を表している。オロークは、投票権の普及を称賛するのではなく、むしろ「18歳以上の市民に一票が与えられる」という民主主義の当然の仕組みを、過剰に誇張したユーモアで語っている。これは、制度上の進歩が必ずしも政治の質の向上に直結しないという批判を含んでいる。

背景として、アメリカでは20世紀を通じて投票権の拡大が進んだ。人種差別的な制限の撤廃、女性参政権の獲得、18歳選挙権の導入などが行われ、民主主義の理想に近づいたとされる。しかし同時に、投票率の低さや有権者の無関心、制度の複雑さといった課題も残っていた。オロークはその矛盾を風刺しているのである。

現代に応用すると、この言葉は民主主義の形式と実質の違いを考える視点を与える。制度的には誰もが一票を持っていても、それが必ずしも健全な政治参加や賢明な選択につながるわけではない。オロークの皮肉は、選挙制度の整備だけで満足せず、有権者の意識や政治文化の成熟を求める必要性を浮き彫りにしているのである。

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