「テレビは脱・読解時代の幕開けだった。そして私たちは、そこからはるか先へ進んでしまった。インターネットやGoogle、Wikipediaのおかげで、いまや私たちは『脱・知性時代』に突入している」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”TV ushered in the age of postliteracy. And we have gone so far beyond that. I mean, what with the Internet and Google and Wikipedia. We have entered the age of post-intelligence.”

日本語訳

「テレビは脱・読解時代の幕開けだった。そして私たちは、そこからはるか先へ進んでしまった。インターネットやGoogle、Wikipediaのおかげで、いまや私たちは『脱・知性時代』に突入している」

解説

この名言は、現代のメディア環境が人間の知性をどのように劣化させているかを痛烈に風刺した一言である。P・J・オロークはまず、テレビの登場によって読書や論理的思考が軽視される「脱・読解時代(postliteracy)」が始まったとし、さらにその先にある「脱・知性時代(post-intelligence)」という新たな段階に我々が到達してしまったと語っている。

この表現には、知識へのアクセスが簡単になった一方で、深く考える力や情報の本質を見極める知的努力が放棄されているという問題意識が込められている。GoogleやWikipediaといった便利な情報源は、調べる行為を効率化するが、考えることを代行するわけではない。オロークは、そうした「知ったつもり」になる風潮を、知性そのものの空洞化として批判している。

この名言は、現代の情報社会に対する鋭い警告である。情報が溢れるほど、知性が薄れる paradox(逆説)が進行している中で、オロークは「知ること」と「考えること」の本質的な違いを浮き彫りにする。彼の言葉は、便利さの背後にある思考停止への危機感を、ユーモアと皮肉で表現した警句として機能しているのである。

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