「ここには一つの単純な法則がある。立法にも、ビジネスにも、人生にも通じる法則だ――ある一点を越えた複雑さは詐欺である。この法則は左派の社会保障制度にも当てはまるし、クレジット・デリバティブやヘッジファンド、そのほかあらゆるものにも当てはまる」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“There is a simple rule here, a rule of legislation, a rule of business, a rule of life: beyond a certain point, complexity is fraud. You can apply that rule to left-wing social programs, but you can also apply that rule to credit derivatives, hedge funds, all the rest of it.”
日本語訳
「ここには一つの単純な法則がある。立法にも、ビジネスにも、人生にも通じる法則だ――ある一点を越えた複雑さは詐欺である。この法則は左派の社会保障制度にも当てはまるし、クレジット・デリバティブやヘッジファンド、そのほかあらゆるものにも当てはまる」
解説
この名言は、複雑すぎる制度や仕組みは、それ自体が意図的なごまかしである可能性が高いという、P・J・オロークによる政治・経済・人生に共通する普遍的な警句である。「beyond a certain point, complexity is fraud(ある一点を越えた複雑さは詐欺である)」という文は、制度や金融商品、行政手続きなどが必要以上に難解になることで、透明性と責任が失われることへの強烈な批判を表している。
注目すべきは、オロークがこの法則を左派の社会保障制度(例:再分配政策や福祉システム)にも、ウォール街の金融工学(例:デリバティブ、ヘッジファンド)にも等しく適用している点である。つまり、イデオロギーにかかわらず、「わかりにくさ」という構造は権力の隠れ蓑になりやすいという警鐘を鳴らしている。
この名言の核心は、制度や仕組みの設計における誠実さと説明責任の必要性にある。意図的に複雑にすることで、誰も全体像を把握できず、誤魔化しやすくなり、不正が入り込む余地が生まれる。それは国家予算や金融商品、法制度、あるいは日常的な契約のすべてに通じる。
シンプルであることは、誠実であることの表現。この名言は、制度に対する警戒と知性の力を促す、時代を超えて通用する警句である。
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