「投票すべきでないアメリカ人は相当数いる。その数は57パーセント――1996年の大統領選挙でクリントンとペローに投票した人の合計から判断するに、である」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“There are a number of Americans who shouldn’t vote. The number is 57 percent, to judge by the combined total of Clinton and Perot ballots in the 1996 presidential election.”

日本語訳

「投票すべきでないアメリカ人は相当数いる。その数は57パーセント――1996年の大統領選挙でクリントンとペローに投票した人の合計から判断するに、である」

解説

この名言は、選挙と有権者の判断に対する皮肉と政治的挑発に満ちた一言である。1996年のアメリカ大統領選挙では、ビル・クリントンが再選され、ロス・ペローは第三勢力の候補として存在感を示したが、P・J・オロークはその両者に投票した人々全体を「投票すべきでなかった人々」と断じている。つまり、57%のアメリカ人が誤った判断を下したというのがこの皮肉の核である。

ここで注目すべきは、民主主義の根幹である普通選挙への不遜な批判をあえてジョークとして口にすることで、逆に選挙の現実や有権者の知的怠慢への問題提起をしている点である。オロークは以前から、「投票する自由」よりも「考える責任」を重視すべきという立場をとっており、この名言もその延長にある。

この言葉は、ポピュリズムや感情的な選択がまかり通る選挙の危うさを示すと同時に、「誰にでも投票権があること」が必ずしも「健全な政治を生む」とは限らないという警鐘でもある。笑えるほどに過激で、しかし内心ドキリとさせられる――それがP・J・オロークの政治風刺の真骨頂である。

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