「中東の全てのメロドラマは、もし記憶喪失がメロドラマの筋書きと同じくらいここでも一般的なら、もっとましになるだろう」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The whole melodrama of the Middle East would be improved if amnesia were as common here as it is in melodramatic plots.”

日本語訳

「中東の全てのメロドラマは、もし記憶喪失がメロドラマの筋書きと同じくらいここでも一般的なら、もっとましになるだろう」

解説

この言葉は、中東問題の根深さを記憶の持続による恨みや復讐の連鎖に結び付けて風刺している。P・J・オロークは、メロドラマにおいて都合よく記憶喪失が登場することで物語がリセットされるように、もし中東の人々が過去の憎悪や争いを忘れられるなら、状況は改善するだろうと述べている。ここには皮肉とユーモアを交えつつも、終わりなき対立の本質を突いた冷徹な観察がある。

中東の紛争は、宗教的、民族的、歴史的な対立が絡み合い、何世代にもわたって記憶され、語り継がれることによって繰り返されてきた。つまり「忘れられないこと」が対立を維持し続ける大きな要因である。オロークはその事実を逆説的に捉え、「もし記憶が失われれば対立も消える」という極端なユーモアに昇華させている。

現代に応用するなら、この言葉は和解のためには過去を過度に引きずらず、未来志向で歩み寄る姿勢が必要だという示唆である。記憶そのものを消すことはできないが、記憶に縛られずに関係を再構築する意志を持つことが、平和への第一歩であると読み取れる。

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