「犯罪者のサブカルチャーは今、若者の間で大いに流行している。エンロン、ワールドコム、タイコなどのおかげで、我々共和党員はアメリカの若者にこう言えるのだ──『俺たちゃワルだぜ』と。ついに共和党が若者票を獲得できるかもしれない」

- 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト
英文
“The subculture of felons is in great vogue among adolescents. Enron, WorldCom, Tyco, and so forth allow us Republicans to say to America’s young people, ‘We be thugs.’ The GOP may capture the youth vote at last.”
日本語訳
「犯罪者のサブカルチャーは今、若者の間で大いに流行している。エンロン、ワールドコム、タイコなどのおかげで、我々共和党員はアメリカの若者にこう言えるのだ──『俺たちゃワルだぜ』と。ついに共和党が若者票を獲得できるかもしれない」
解説
この名言は、企業不祥事と政党イメージの皮肉な結びつきを鋭く風刺した言葉である。2000年代初頭に起きたエンロン、ワールドコム、タイコなどの大規模な企業スキャンダルは、いずれも保守派との結びつきが強いビジネス界の腐敗として社会的な批判を浴びた。オロークはこれを逆手に取り、「悪党ぶり」がむしろ若者にウケるかもしれないという倒錯したユーモアで語っている。
ここで重要なのは、「We be thugs(俺たちゃワルだ)」というスラング的表現である。これはヒップホップ文化などに見られる不良の自己肯定的な表現をパロディ化したものであり、共和党の堅物なイメージとは対極にある若者文化とのねじれた融合を演出している。本来なら忌避されるはずの腐敗や犯罪的行為が、逆説的にクールに見える世相への皮肉とも読める。
オロークのこの一節は、政治の堕落と若者文化のアイロニーを大胆に接続し、政党のイメージ戦略の滑稽さと、現代の道徳的混迷をあぶり出している。ユーモアの仮面を被りつつも、アメリカ社会の深い病理を突いた発言である。
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