「福祉制度の本当の目的は、貧しい人々を完全に消し去ることにある。福祉が悪影響をもたらすことなど、誰もが知っている――それこそが狙いなのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“The real purpose of welfare is to get rid of poor people entirely. Everybody knows welfare has bad effects; that’s the point.”

日本語訳

「福祉制度の本当の目的は、貧しい人々を完全に消し去ることにある。福祉が悪影響をもたらすことなど、誰もが知っている――それこそが狙いなのだ」

解説

この名言は、社会福祉制度への激烈な皮肉と制度批判を、あえて過激な誇張と逆説的な構文で展開している。P・J・オロークは、ここで「welfare(福祉制度)」を、弱者救済の制度というよりも、貧困層を社会の表層から排除・無力化する手段として描いている。つまり、「救済」の名のもとに実は「隔離」や「無力化」が行われているのではないかという疑念を、ブラックユーモアで表現している。

「Everybody knows welfare has bad effects」という部分は、福祉依存、労働意欲の低下、家庭の崩壊といった、保守派が指摘する福祉制度の負の側面を意識しており、それをあえて「that’s the point(それが狙いだ)」と締めくくることで、制度設計そのものが機能不全を前提としているように見えるという、厭世的な洞察を浮き彫りにしている。

この名言の本質は、制度的な偽善と道徳的欺瞞への批判にある。つまり、「福祉」は貧困を解決するどころか、見かけ上の平等を保ちながら、実際には貧困層の自立を阻害し、その存在を静かに抹消しようとしているのではないかという、深い懐疑を突きつけている。過激なまでの表現の裏に、制度そのものの倫理性を問い直す鋭い風刺が込められた一言である。

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