「現代のテレビと1974年のテレビを比較する際の問題は、テレビがただ悪くなったのではなく、悲しくなってしまったということだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“The problem, when comparing contemporary television to television in 1974, is that TV has become not just bad but sad.”

日本語訳

「現代のテレビと1974年のテレビを比較する際の問題は、テレビがただ悪くなったのではなく、悲しくなってしまったということだ」

解説

この名言は、テレビの質の変化に対する鋭い文化批評である。1974年当時のテレビ番組も決して高尚とは言えなかったかもしれないが、オロークは「今のテレビは質の低下以上に、感情的に空虚で痛ましい」と感じているのである。「bad」から「sad」への変化という語感の対比が、より深い劣化を示している。

かつてのテレビには単純な娯楽性や社会的なメッセージ性があったが、現代のテレビには視聴率至上主義、センセーショナリズム、リアリティ番組の氾濫といった問題が見られる。これらは視聴者を退屈させるだけでなく、共感や思考を刺激しないという点で「悲しい」存在となっている。つまり、単に面白くないのではなく、文化的に貧しくなっていることを憂いているのだ。

この言葉は、メディア消費の在り方に対する警鐘でもある。我々は何を見て、何を喜びとしているのか。それが虚無や退廃につながっていないかを問い直す一言として、現代にも強く響く。テレビという装置を通じて、社会全体の感性の退化を見つめている名言である。

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