「合衆国憲法修正第1条には『宗教の権立に関する法律を制定してはならない』とあるだけだ。つまり、いくらでも『敬意を払わない』ことはできるということだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The First Amendment only says ‘Congress shall make no law respecting an establishment of religion.’ It can disrespect all it wants.”

日本語訳

「合衆国憲法修正第1条には『宗教の権立に関する法律を制定してはならない』とあるだけだ。つまり、いくらでも『敬意を払わない』ことはできるということだ」

解説

この名言は、アメリカ合衆国憲法修正第1条に対する挑発的かつユーモラスな解釈を通じて、言論の自由と宗教の自由の緊張関係を浮き彫りにしている。P・J・オロークは、「respecting(権立に関する)」という法律用語を「敬意を払うこと」とあえて字義通りに読み替え、言葉遊びを用いた風刺を展開している。

この解釈のもとでは、政府が宗教を「設立」したり、「支援」したりしてはならないが、皮肉を言ったり風刺したり、敬意を欠いた態度をとることまでは禁じられていないという逆説が成立する。これは、神聖視されがちな宗教にも、世俗的批判やジョークを向ける自由があるべきだという、リベラルな表現の自由観を支持する立場からの意見といえる。

現代においても、宗教に対する風刺や批判はしばしば論争を呼び、言論の自由と宗教的感情の尊重とのあいだでバランスが問われる。この名言はその問題に対し、「感情の尊重」と「法律の制限」は別問題であるという立場を取りつつ、自由社会の根幹は「不快にさせる自由」も含んでいることを強調している。オロークの鋭い言葉は、ユーモアを盾にしながらも、権力や信仰への安易な敬意に警鐘を鳴らす知的挑発となっている。

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