「コロンビア特別区は、教育への財政投入と成果の断絶という点で、極端な例である。だが残念ながら、『極端』であることは『異常』であることとは違うのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The District of Columbia is an extreme example of disconnect between financial input and educational outcome. Unfortunately, extreme is not the same as abnormal.”

日本語訳

「コロンビア特別区は、教育への財政投入と成果の断絶という点で、極端な例である。だが残念ながら、『極端』であることは『異常』であることとは違うのだ」

解説

この名言は、教育制度における資金投入と成果の乖離を、ワシントンD.C.を例に挙げて批判したものだ。P・J・オロークは、同地が一人当たりの教育予算が全米でも非常に高いにもかかわらず、学力や教育成果が低迷しているという事実を「極端な例(extreme example)」と呼ぶことで、制度の非効率性と構造的失敗を強調している。

しかしさらに重要なのは、「extreme is not the same as abnormal(極端=異常ではない)」というフレーズである。これは、D.C.のような失敗は例外ではなく、アメリカ全体に見られる広範な傾向であるという皮肉を込めた指摘である。つまり、教育政策においては多額の予算を投じても、制度設計や運用が誤っていれば意味をなさないという、システム的な問題を浮き彫りにしている。

この名言は、「金をかければ教育は良くなる」という単純な発想への批判であり、教育の質は予算額ではなく制度の設計・運用・責任のあり方によって左右されることを示唆している。オロークは、極端な失敗例が「普通のこと」になりつつある現実の恐ろしさを、冷笑とともに鋭く突いているのである。

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